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 これが我が家にある、一番古い奇術書です。もう背表紙などはぼろぼろで中身が出ています。実は、早死にした父の蔵書なのです。親子で、同じ本を読みあうと言うのは意外とないものなのですが、この本だけは例外中の例外なのです。
 文章古いです。著者は明治生まれの方です。出て来る漢字は古い書体のオンパレード、ですからすべてにルビが打ってあります。そのおかげで、小学生の私でも読めたのです。
 もう夢中で読みました。実は父が感心したのです。そして自分の蔵書を息子が必死になって読んでいる姿が可愛かったのか、この本を私にくれたのです。
 何回読み返したかわかりません。初代天勝の写真も何枚か掲載されています。
 私が、マジックを知識として受け入れた最初の一冊だったのです。
 それでですが、この明治、大正、昭和の息吹の中に、このシャフルは、あったのです。
 上の図を大きくして左に掲載しました。この上の(A)はあきらかにリフルシャフルです。
 そして、問題はこの下の(B)です。文中には、別に名前もなく説明だけがしてあるのです。
 このシャフルこそが、もう、50年に近ずく長い間、捜し求めているシャフルなのです。
 これ、私はできません。そしてそれでいて、自分が練習してまで獲得しようとは、思っていません。
 でも、見たいのです。この種の技法は、フライングの項でも申し上げましたが、戦前の手妻の芸のうちで、プロの人たちの曲技だったのです。
 だから見たいのです。それで、本も解説されているのは、今まで見てきた範囲では、これ一冊だけなのです。
 著者は非常に信頼に値する方で、戦中、戦後の社会のドサクサのなかで、社会犯で奇術めいた、トリックを使った、詐術を一つ一つ、落としていったと言う経歴までお持ちの方なのです。
 ですから、間違いなく存在した技法なのです。どなたか知りませんか、是非見せていただきたい。デジカメさげて、こればかりは何処へでも参上する覚悟でいます。
 動画をその方に是非担当してもらいたいのです。日本の古きよき時代の、よき技法なので、今後再現できるとは思えない技法なのです。ですから、今残しておかないと、永遠に無くなってしまう可能性が高いのです。