またも、ダイバーノンの話です。彼がレクチャーをしていた時の話です。あるカードマジックの手順を解説していたときに、一人の知人が彼のテーブルへやってきて、いすに腰をかけようとしたのです。
 すると彼は当然の如く、その知人に握手を求め挨拶をしたのです。
 その知人もにこやかに握手をし着席したのです。が・・・・??。自分のほかの客達の様子が尋常でないのに気がついたのです。
 いったい何があったのでしょうか。実は、プロフェサーが今解説していたカードマジックは、たしかに解説途中であり、そして今まさに彼の右手にはカードが一枚パームして隠されているはずだったのです。
 彼は承知の上で、レクチャーを続けるのですが、そんなことよりも、何よりも、ひそひそ声が次第に大きくなり始め、とうとう拍手し始めたのです。それは、彼の紳士的なマナーに対する敬意あふれる拍手だったのです。
 よろしいかな、動画で私がやっているのは、まさにテクニックのためのテクニックであって、テクニックだけを見ても、どうと言うほどのこともないことなのです。こんなのは、感心するには値しないのです。
 練習すれば誰にもできることなのです。それよりもなによりも、そのテクニックが身につけばとっさの時にそれが自然と出てくるのです。ジャズのセッションと同じで、まるで自然と出てくるのです。ですから、その領域に達するまで、やるしかないのです。


 と言うことなのですが、本来はパームトランスファーというのは、ステージでマニュピレーションの手順の中でたまに出てくるのですが、それをクローズアップの目の前で見せられると結構パワーがあるのです。
 この場合は、次のやり方とは多少違い、両手が交差した後の形が、左手カードを持っている手が前に来ます。右利きの人は、こちらの方が手の軌道が長く感じますが、実際はまったく同じです。ただ軌道が長く感じるということは、両手に表情を付けることができますので、研究してみてください。

 チョとだけ追加、私のこの動画は、まるで、ダンスのように美しく流れてカードが右手から左手へ移動していますが、本当は、あまり良くない。どういうことかと言いますと、人間の動作と言うのは、美しく流れていくと、幻想的になり、浮いた感じになっていくのですが、それはひっくりかえすと、リアリティーが無くなって行くことを意味しています。
 それゆえに、手に表情が無くなってしまっているのです。もっと、現実的な動きがあるはずなのです。研究してください。
 

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