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今夜の番組チェック












































































































































    

 解りやすいように、フェイスを上にして、写真撮りをしました。通常はこの様な状態になることはありませんので念のため。
 ギャンブラーは、これしかやりません。わが師アードナスは、マジックも好きでしたので、著作の中で、何通りかのカラーチェンジを解説しています。そのなかで、普通のパームを解説しています。
 おかしなことに、師の時代には、このパームは、どうも存在しなかったようなのです。
 ですから、発祥は近代も近代、ひょっとするとごく最近かもしれないのです。
 ただ、パームそのものは、そもそもギャンブル向きではないようです。なぜかといいますと、手を押さえられたのなら、一巻の終わりになるからです。証拠が歴然と残り、処理の仕様がない、と言う事なのです。
 日本では、パームのことを吊りといいまが、これも、ほとんど名人芸がないとできないということです。ただ、伝説としてなのか、それとも、作り話だったのか、こればかりは、その筋の方でないと解らないことがあります。
 それは、吊りがばれそうになったゴトシが、それを回転させながら、天井と平行に投げ上げ、札が天井に達すると、札の回転力と、天井との間の空気がシンクロして、スーッと横滑りをし、天井の桟(さん)に挟まり落ちてこないという話を聞いたことがあるのですが、これ本当なのでしょうか。
 神技なのですが、その筋の方で答えることのできる方はいませんか、是非話してください。なぜか、本当ではないかという予感がするのです。処理の仕方としては、傑作だと思うのですが。
 ということで、お待ちしています。こういう話は、むしろ日本のほうが、漏れてこないので、関係者に頼るしかないのです。
 さて、元へ戻ります。まずこのパームのユニークな点をいいます。まず、パームしてるカードの姿勢が常識とはまるで違っています。
 例の如く、横に持っているはずのものを、縦に持とうというのですから、面白いのです。(写真の一番上)
 これの最大の利点は、何かといいますと、まずカードをスタックする場合、一般的には、どこへスタックするのが、良いかといいますと、それはボトムです。
 デック上で秩序を維持できる領域というのは、おおむね、ここしかありません。トップにスタックする場合は、シャフルを用いてのセッティング(マアジャンで言うところの積み込み)した場合のように、限られますが、ボトムでしたら、自由自在です。
 そして、第三者にカットをしてもらう間だけ、パームをし元へ戻せば、このスタックを崩すことなく維持することができると言うわけです。
 師、アードナスは、この使い方を、ホールド アウトと言っています。現代風に言えば、ヌルファイング ザ カットです。
 で、このボトムパームでなら、動作に粗誤が無いのです。まずほとんど動作で、ミスることはないし、時間もかからないのです。
 そして、一見その後の維持が難しそうに見えるのですが、それが意外とそうでもないのです。
 さて、それでは、ギャンブラーズパームで注意する点を言います。カードを一枚でも、複数枚でも左手へ滑り込ませたら、左手親指を、〆る事です。実はたったこれだけのことで、俄然、秘匿性が増すのです。(写真の2番目と3番目)
 勿論、角度的には元々制約されています。ですが、質の良いカシミアのマフラーと同じで、使い方によっては、ダウンジャケットのようなヘビーデューティーにも耐えられるのです。
 近年、マジシャン達はこのパームを見直しつつあります。(間違ったら御免。たしか火付け役は小野坂 東さんだったような気がするのだが、)

 @ ギャンブル場の生存競争を遂に生き残った、唯一のパームである点。

 A 手のひらにカードの上半分しか入っていないのだが、テーブル上で、使用している分には、手をテーブルの上においているので、同じこと。

 B 上方の角度からの視線に弱そうではあるのだが、それが、いきなり立ち上がっても、こちらを覗き込まない限りは大丈夫。そして現実にこの様な、非礼な行いを理由もなくする人はいない。

 C 最近は、立ち芸でも使用する人が現れている。実に意外といえば意外なのだが、立っている時の手をだらっと下げた時の手の裏の自然な感じが、まるで他のパームと比べようもないほどなのである。(写真左4番目)

 D 最後にして最大のメリットは、一枚でも、何枚でも、見ている前でパームの作業に入っても、簡単な動作ゆえ、悟られることがない。それゆえ気楽に複数枚パームして注意を怠り、気がついたら、デックが薄く、痩せていった事で発覚したという話まである。
 
 これは、ひょっとして日本人好みかもしれない。向こうのマジシャンで、これを研究しているという話を聞いたことがない。ギャンブラーは、盛んなのだが、どうも向こうのマジシャンには不評のような気がする。
 ところが日本人の繊細さには、ぴったりなのかもしれない。

 
 と、書き収めようと思ったとき、ものすごく大事なことを忘れていました。ある意味一番大事なことを書き漏らすところでした。
 スキルのノウハウばかり書いて、とんでもないことを忘れていました。それは、どうでもいいことではあるのですが、概念です。
 パームには一つの概念があります。ごく普通のオーディナリパームから始まり、際どい天海パームやリア パームまで、カードを扱うパームに共通のこととは何でしょうか、それは、手のひらにパームした後、手を伏せて、手の甲、指の裏を客に見せて、カードを隠すということなのです。
 当たり前のことを、説明するぐらい厄介なことはないのですが、おおむねそういうことです。
 よろしいですよね、ところが、このギャンブラーズパームは、手の甲、指の裏ではなく、ありえないはずの、手のひら、指の表を、さらして、カードを隠している感覚があるのです。
 そのようなことが有るのでしょうか、手のひらを見せていて、なおかつそこにパームできるということは、普通の感覚ではありえません。
 でも、その境界の領域ではどうでしょうか。これがこのパームの真骨頂なのです。なれない時は、この手のひらの表と裏の境界領域は、単に線としか感じることができません。
 ところが、人間の修練とそれに基づく経験と勘はその領域を少しづつ広げていくのです。
 本当に素晴らしいことです。それは、練習して、経験していく人間にしかわからない喜びで、自分が上手くなっていることを実感できる喜びなのです。
 それででしょうか、日本の上級クラスのマジシャンは、えらくお気に入りなのです。

 (上の3番目の写真よくよく、真剣に見てください。ぎりぎり、親指の爪の先で、少しだけ、見えています。きずきました? ことほど、さようにきわどいのです。ですが、きずいた方はいないのではないかと思うのですが、いかがでしょう。)