
さて、わが師アードナスのグリップの基本です。左の写真見てください。上がアードナスで、下が一般にやられている、ヒューガードのグリップです。
で、ヒューガードは自著で詳しく解説していますが、まるで日本人向きではありません。
この2段組みの写真で、お解りと思いますが、はるかにわが師のやり方のほうが、前項でも言いましたが、優れています。
デックを★印の対角線上で、上は中指で、下は、食指で保持しています。
これが、ボトム ディールの最初の一歩ですが、ご覧のとうり、日本人には、下は無理です。
ボトムディールが、何故このことにこだわるかお解りかとは思いますが、デックが、まさにこの星印の二箇所で、保持できるならば、後は、慣れの問題だけで、ある意味難しいことは無いからです。
そうですよね、この二箇所だけで保持できるなら、何処から指がはいろうが、ベースが常に保つようにすることができるからです。
さて、次です、これが迷いの元になりやすいのですが、ボトムカードをどの指で取るかと言う問題です。
それでですが、左の写真は、中指で取っています。
それでですが、今までは一般的には、オーソドックスなやり方とは、中指で取れとされていました。
事実ヒューガードもそのように説明しています。
このやり方の利点は、中指でしたら、実は左デックのボトム奥深くまでスルーと入っていけるのです。
ですから、ボトムカードを抜き取る時に失敗無くできると言う利点があるのです。
それと、前から見た状況が中指の前に食指があるので、ボトムをモロに抜いていると言うダイレクト感がなく、都合がよいのです。
それと、取ったカードを左の写真のように、手じかに並べて何かをやると言うときは、
確かにこの方が、安全、確実、でやりやすいのです。
それ故にでしょうか、マジック関係の説明は、この説明が多いのです。
しかし、どうなのでしょうか、こんな、手じかでボトムディールをする事自体が、間違っているとは思いませんか。
マジックならば、もっと上手いトリックがあるのではないですか。
どうも、マジシャンはこのあたりが観念論になりやすく、ボトムディールの本来の機能を誤解しているとしか思えないのです。
セカンド ディールでも、ばれないようにするために、そこのスペースを小さくすれば良いなどという発想と同じで、それでは全く駄目なのです。
まるで現実性の乏しい解ったような観念論に陥ると、本来自分達がやりたいと思っていたことが、ますます自分達から遠ざかると言うことをマジシャンは悟るべきなのです。
テクとは、難しくすることではなく、ある目指している思いを、いかにして実現するかの手段に過ぎないのです。
私でしたら、大金持ちなのに、生まれて初めてこんな凄いカジノにトボトボやって来て、一度でよいからカードに触ってみたいと、思っているハイソなお婆ちゃんに、ストレート フラッシュぐらいを差し上げることができないとするならば、一体全体なんのプロだと言うのでしょうか。
その熱い思いこそが、人に感動を生むのです。
さて、少々、本音を言い過ぎました。これでは、就職ができなくなるかもしれません。
しかし、間違っていることを言っているつもりもありません。
それでは、本題に戻ります。
マジックでの説明は以上のような感じです。
さて、それでは実は困るのです。何が困ると言いますと、やってみればわかることなのですが、このやり方では、カードはディールできないのです。
つまり、遠方に座っている客までカードを飛ばすことができないのです。
中指で取ると、持ち替えない限り、そのカードを飛翔させることができないのです。
ですから、なぜ、上記の説明が、大手を振っているのかが理解できないのです。
だって、ボトム ディールです、なのにディールできない方法を説明していること自体がおかしいでしょ。
何故このようになったのかは、ギャンブラー達にも責任があります。
立場上、大声は上げれないでしょう。ですが、素人ではなく、一般人相手でなく、マジシャンには、言うべきです。
ボトム ディールは、クラシックと冠されます。
ギャンブラーズ テクニックでは真髄中の真髄です。
ですから、「グダグダと能書きばかり言っていないで、食指で取れ。」と言うべきなのです。
そういうことなのですが、食指で取れば、左の写真のように、そのまま投げることができます。
つぎに、客の中の一人にボトムディールをするのは、比較的やりやすいのですが、
問題は、自分にボトム ディールするのが、意外と難しいのです。
これは、リズムがまるで違うので、なれないと、それらしくならないのです。
それと、振動、ボトム ディールした瞬間、通常作業とはまったく別の作業が、いきなり入ってくるために、あわてるわけではないのですが、左手のデックが、ボトム ディールをいましたとばかりにドッコイショと、振動するのです。
この、カードの離れ際の振動と言うべきか、デックの動揺というべきか、これを押さえるのに、そうとうの時間がかかると思ってください。
これらのことは、練習不足ですから、とにかく懸命になって回数をこなして、身体に叩き込んでください。
つぎに、音、最初はバシャと凄い音がしたのではないかと思います。
これは、力んでいる証拠なのですが、おそらく、上級者にならない限り、この原因は自分ではわかりません。
次に、今度は上級者のやりやすいことがあります。左の写真を見てください。この写真はノーマルなのですが、上級者によっては、左薬指を、サポートに使って、ボトムカードを、押し出すようにして、右手が取りやすいようにしている方がいるのですが、これはやめたほうが良い。
デックに必ずガサツキが生まれて、一番重要な、デックの静謐感がなくなってしまうのです。
ボトム ディールの最も大変な点は、何だと思われるでしょうか。
これが、以外なのですが、デックの厚みそのものなのです。おおむねフルデックで15〜17ミリ。この厚みが、大変なのです。
それでですが、あるアメリカのギャンブラーのビデオを見たのです。
そのボトム ディールの上手いことに、思わず溜息ついてしまったのです。実に上手いのです。
そして、それだけでなく、何気ないカードの扱いそのものが、また美しいのです。
マジシャンではこうはいきません。練習量があまりにも違いすぎるからです。
ヴァーノンでも、ここまでのレベルはありません。で、感動のあまり、何度も何度も見入ったのです。
そして、ディールが終了して、デックを扱う扱い方が、またまた上手いのです。ですが、その時ギョッとして、気がついたのです。
ひどい話です。だからブラック ゾーンのギャンブラーは駄目なのです。自分さえよければよいと言うのでは、話にならないのです。
己の功名心だけで、まったく公益性を考えていないのです。
ヴァーノンが見たら、鼻で笑って、どう思うと、目配せしたと思います。
彼は、ビデオ撮影を意識して、フルデックではなく、おそらく半分か3分の1の枚数でやったのです。
なぜ、解ったかと言いますと、普通でしたら解らなかったと思います。
師、アードナスのグリップは、秘匿性も高く、前からの視線でしたら、完全にデックをグリップの中に隠し覆う事すらできます。
それに近い状態で、画像は進んでいたのですが、いったん終了した時、思わずこのギャンブラーの、かっこ良い日ごろのカードアクションの癖が出てこれみよがしに何気なくやったのです。
それで、解ったのです。私も初心者ではありません。彼が配ったカードの数ぐらい数えています。なのに、今手に残っている数は、5〜6枚しかないのです。
でなければ、そのようにかっこよくデックをバックルして曲げることなどはできないのです。
たったこれだけのことで、全てが素晴らしいのに、評価そのものがいっきに下がってしまったのです。
もう、常にこの種の、イカサマとは言わないが、おかしなことが多いのです。この世界の信用と言うものは元々無いのですから、これも仕方が無いことなのかもしれません。
師、アードナスもそのケがあります。ですから、せめてここだけでも真っ当にやっていこうと思っているのです。
さてそう言うことです。ですから、デックが薄ければ、簡単に誰にでもできます。それほどこの15〜17ミリというのは、険しいのです。