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 動画を見ていただいて、どういうことかすぐにわかったと思いますので、注意する点だけを述べます。
 この、スーパーコントロール カットは、リラックスしてできるので、やっている本人が本当にリラックスしてしまうと、上の写真のように、正面からブレイクが見えてしまうケースが、結構多いのです。
 意外とベテランほどやりやすい。なぜかと言いますと、カード扱いに慣れてくると、両手を上手に振り子のように、破線の重なっている点を中心に、してモーションすることができるようになるからです。
 ですが、右手は動かしてはならぬのです。
 そして、左手は、常にブレイクを意識して、左の客の視線(下の写真の赤矢印)をさえぎるようにして、動かすのです。そうすると、左手の動きはよりコンパクトに、下から上へと動線の最短距離を動くようになります。
 
 万能、に頼りきりになるのは、何も薬学の世界だけではなさそうです。現在のスーパー万能薬、バンコマイシンは、投与されると体中の細菌だろうが、スピロフェーターだろうが、ウィルスだろうが、ナパーム弾のように、面的に破壊するのだそうです。風邪だろうが、結核だろうが、何にでも効くのだそうです。
 早い話が、体の中を、抗生物質で洗い流す、と言うのが発想のようなのです。
 しかし、考えなくてもすぐに解ることなのですが、もしそれの耐性菌が現れたのなら、どうするのだろう。と。
 どうも、この皆殺しという発想に囚われている限り、我々は、進歩そのものが停止してしまうと思えてならないのです。
 さて、じつは、30年前、マジシャンと名のつく人たちは、この万能の技法に頼りきりきりになり、本来のロケーションのための、技法とは何かということを忘れてしまったことがあったのです。
 ダイバーノンは罪作りです。天才は破壊的に我々に考えると言うことを、停止させるほどの影響を残したのです。
 当時テイクワン(take one card つまりカードを一枚取ってもらいそれを、あてると言うマジックの総称。)においては、事実上すべてこれによって、カードは、コントロールされたのです。そして、それはフォールス シャフルの代用にすらなったのです。
 しかも、サロンなどの立ち芸にも利用でき、存在感のある演技があれば、ステージでも使えたのです。
 それは、恐ろしいほど日本の奇術界を席巻し、そして誰もその呪縛から逃れられなかったのです。
 木先生の功罪があるとすれば、まさしくこのダブル アンダー カットを日本に紹介したことといっても過言ではないと思っています。
 それは、本当に素晴らしく。そして簡単で、そして美しくすらあったのです。
 それまでの、カードコントロールと言うのは、柴田直光さんが詳述してる、オーバーハンドシャフルとジョグを使ったコントロールのように、なにかのシャッフルと併用するということのほうが多かったのです。
 近代以降は、ずうっとそうだったのです。それは、誰もが見慣れたシャフルとのコラボレーションであったので、最も自然であり、誰が見ても疑う余地のないやりかただったのです。
 しかし、20世紀も半ば過ぎて、どうもおかしなことに皆きずき始めたのです。
 どういうことかと申しますと。汚く、ぼてぼてにシャフルしながら、コントロールしたほうが、バレナイという、マイナーな現象が、目立ち始めたのです。
 これに、美意識の高い人達は我慢できなかったなのです。これは、どう考えてもおかしい。しかし、当時、他の方法とは、遡ることレジナルド・スコットの「妖術の開示」で説明されている、ブレイクとクラシック パスぐらいしか誰もが思いつかなっかったのです。
 そして、このクラシック〜という、クラッシクと冠された名のつく技法は、とんでもなく難しい技法なのです。
 簡単で、美しく、多用途な、、そのようなものをと、皆が、なんとなく探し回っている時、それは、紹介されたのです。
 「トランプの不思議」は、今の我々が読んでも面白い。そして、日本ではこれこそが、最初のトラディショナルでインテリジェンスの香る、カードの書そのものなのです。